Albedo Gravitas - Eihwaz(LP)
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Albedo GravitasはヒグチケイコとSachiko (光束夜、Overhang Party、Vava Kitora)のデュオユニットであるAlbedo Fantastica(An’archivesから2018年にリリース)から派生。二人とも日本のアンダーグラウンドではよく知られていて、Musik AtlachやImprovising Beings、Utechなどから幾つかの作品をリリースしている。それぞれのバックグラウンドは違えど、ジャズやロックからフリー・インプロなどジャンルを跨いでの興味を持ち、さらにCris X、福岡林嗣、川口雅巳、神田晋一郎など様々なミュージシャンと共演している。

Albedo Gravitasではベースの内田静男が参加。日本のアングラシーンでNord、Onna Kodomo、Hasegawa-Shizuo、Kito Mizukumi Rouberそして灰野敬二の滲有無など様々なバンドで演奏。最近での作品ではサックス奏者の橋本孝之(KMRや.es)とのUHとしてAn’archivesから音源が出ている。

Albedo Gravitasとして初めてのリリースとなるこのアルバムは、ときに音楽の展開の仕方に疑問を持ったり不意打ちをくらったりするが、知性と繊細さを持ち合わせながらも予想だにせぬことへの要素が満載の演奏だ。ヒグチとSachikoの楽器庫にはピアノからドラム、メロディカやエレクトロニクスまでたくさん蓄えがある。だが、彼らを最も際立たせるのはヴォイスだろう。声門を歪めて心を引き裂くようなため息や唸り声、切り刻まれたリアルタイムでの即興ヴォイスはこのアルバム中、予測不能な音楽領域を跨いで駆け巡っている。

内田はそこここで突如途絶したり、とてもヘヴィーなベースを聴かせたり、エレクトロニクスやメロディカが空中に白い光の弧を描く間ドラムが原始的なアンチリズムを叩き、アヴァン・チャンバーな魅力を醸し出している。An’archives Free Wind Mood シリーズに匹敵し、さらにその限界を広げるような、なんとも独特なインプロヴィゼーションといえる。

特に両面に渡る長いテイクのダイナミクスは衝撃的で、彼らが静寂とさらには未知への景色を見せてくれたりする。 A面は時として激しく、トリオはエレクトロニクスの光る波に乗りながら、こちらは雹の嵐の最中にトタン屋根の下で荒らしが過ぎるのを待っているように、パーカッション、ベースそして、行き交うヴォイスがリスナーに降り続ける。B面では深い音響のベースやコードの流れが吹っ飛んだトーンと分岐し、ファズの波、ピアノからは哀愁漂いさまよう2つの音が鳴り響く。

方向感覚も失い、これはまさに驚きのサイケデリア、凡庸な制約からはとうにかけ離れ、最も使い古されたshouldという言葉が頭をかき乱すだろう。

-メーカーインフォより

 

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