former_airline - Breath of the Machineries (TAPE)

former_airline - Breath of the Machineries (TAPE)

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久保正樹によるソロ・プロジェクト。いくつかのバンド活動を経て、90年代後半よりギター、エレクトロニクス、テープなどを使用した音作りを始める。2000年代後半よりformer_airline名義で活動開始。
ポストパンク、クラウトロック、ミニマルウェイブ、シューゲイズ、ダブ、アシッドハウスからの影響を独自に融合した音世界を展開。カセットテープを中心に、日本、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスほか世界各国のレーベルから作品をリリースしている。

former_airlineの前作フルアルバム『Postcards from No Mand’s Land』は、2020年にCall And Response Recordsからリリースされた、都市生活におけるCOVID-19パンデミック前後の不安と空虚を描いた不穏でアンビエントな作品であった。その後、自主レーベルFALRecから配信、カセット、CD-Rといったフォーマットで複数のEPを発表し、再びCall And Responseとタッグを組んで完成させた意欲作が、最新フルアルバム『Breath of the Machineries』である。

テーマは「機械の息づかい」。すっかりSF化した現実に辟易しつつも、ファンタジーとノスタルジーを駆動力に、夢想とディストピアの狭間で音を紡ぎ上げたアルバムである。レイ・ブラッドベリやシオドア・スタージョンの短編、そしてデヴィッド・リンチ作品からの影響が随所に漂い、結果的にリンチへの追悼の意も込められた、幻想奇譚的な音世界が広がっている。

制作は従来の手法から大きく転換し、アイデア先行で手探りのアプローチを採用。録音機材のズレや音のかけ違いから生まれた偶然性に導かれながら、新たなサウンドを構築した。さらに、1990年代に宅録していたカセットの断片音をサンプリングし、アルバム全体の質感に独自の陰影を与えている。また、ブロードキャストのカヴァー曲“Roses Red”を収録。本曲は、トリッシュ・キーナンの死後、バンド最後のデモ音源をまとめた『Spell Blanket』(2024年)に収められたもので、そのはかなさ、宇宙的郷愁、そして現実離れしたメランコリーに心を奪われ、即座に録音されたという。結果的に本作のテーマに完璧に呼応する楽曲となった。

本作完成後、活動拠点を東京から大阪へと移したことも、アルバムに深い意味を与えている。コンクリートの繭に包まれた東京の、奇妙に落ち着く寂寥感を封じ込めた音の記録であり、former_airlineにとって大きな転換点を刻む一枚となった。




Japanese
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