キタ!竹村延和のChildiscに2枚のアルバムを残し、またいくつかのリミックスワークで異彩を放ちまくったHyuのアンソロジーがEM Recordsから登場。 エレクトロニカという言葉が生まれる以前、どちらかといえばRephlexなどのビザールなテクノを志向したイギリスのシーンに呼応しながらも、デジタル楽曲制作に独自の観点でアプローチした類のない楽曲を生み出したHyu。IDMの時代において多くの才能を輩出したChildiscの中でもこれまで十分に評価されているとは言い難かったHyuのぶっちぎりの才能を世に放つ大変意義あるコンピレーションです!マスト!
以下レーベルインフォより
強烈なエクスペリメント、にもかかわらず堅苦しさとは無縁の自由奔放でキュートな魅力、まるでHyuさんの笑顔のようです。音楽が一人の中の絶え間ない相克と実験から生まれることに改めて気付かせてくれます。―aus
全国Hyuが世界中の人に聴かれないと困る協会に入っています。
—suppa micro panchop
Hyuさん、おかえりなさい。
懐かしい未来の音がしたよ。
傑作。待ってた甲斐がありました。
—グーテフォルク/西山豊乃
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これはいったい何なんだ!?! ヘンリー川原、スリン・パークシリ、サイケアウツと並ぶ重要アーカイブ・リリース。90年代から00年代初頭にかけ、竹村延和のChildisc等から作品を発表した大阪出身のクリエイター、Hyuの迷宮に秘められた驚異の作品群を解読するコンピレーション。
Hyuは「エレクトロニカ」という曖昧な言葉で括られてきた世紀末世代の音楽家の一員で、その実体はほとんど謎のままだった。しかし、Hyuの作品は多くの点で際立っており、微分音や倍音のユニークな探求、音楽テクノロジーを人間化する能力、軽快さと遊び心とコンセプチュアルな厳密さを併せもつ独特の創作物は、時間の風雪をものともしなかった。
本コレクション 『Inaudible Works 1994-2008』 は未発表曲と過去にリリースされた諸作の再編集版で構成され、新作とアーカイブの中間のような存在となっている。楽曲は多岐にわたり、多調+微分音ドラムンベースもどき、人声合成技術の疑似ロボ・ポップ、ヴォイスと発電機のドローン重奏、破砕し分裂したファンク、感覚過多のスイングするサンプルの集合体、サイン波を単子とする構想、倍音列の追求、文学にインスパイアされた無調ピアノ曲、自己言及性の極に生まれたJポップ……と目も眩むユニークな作品がひしめく。すべてが特徴的で知的、その多くに先見の明があり、ジャンルの拘束から超越している。こうしたHyuの音楽は魅力的で楽しいが、それは音楽を創造するだけでなく、音楽を創造する方法も創造したいという欲求に突き動かされている。この願望と探求心は本作のすべてに、そして彼の音楽全体の素晴らしさの中にはっきりと聴き取ることができる。
2LP版にははっぴいえんど「風をあつめて」のカヴァーをボーナス収録。本人による楽しく啓発的な解説も必読。装丁は虚木へずが担当。