『Piano Trilogy』 Tomoyoshi Date
12K(米)やLAAPS(仏)などの気鋭レーベルからリリースが続いている医師・音楽家のTomoyoshi Dateが、2021年から2024年にかけて作成したピアノ三部作が限定150本のカセットでリリースされます。LAAPSより発売され、2023年1月Bandcampのベスト・アンビエントに選出され廃盤となった『438Hz, As it is, As you are』、東京・高円寺Tataにて行われたSilver gelatin(古書・キュレーション)の展示用につくられた『Tata』、親友たちへの追悼としてつくられた『Requiem』の三作が、Silver gelatinによるファウンドフォトを用いた特製ジャケットで、11月10日に、つゆくさレコーズより同時リリースされます。
モノと時間の経過をテーマに作成されたこの三部作は、引き伸ばされて反復するピアノと有機的なエレクトロニクスのマリアージュを特徴とし、リズムと旋律という境界の解体を試みた音楽です。
近年、Dateは世界初となる純正律の音楽を自動生成するプログラムの制作(https://www.youtube.com/watch?v=O1BNEjMtL1o)を手がけており、ソロとしては最後になるかもしれない平均律によるリリースです。
世界で初めて三味線を五線譜に記した叔母から譲り受けたDIAPASONの古いピアノは、緩んでしまったひとつのペグのピッチ(2022年は438Hzであった)に合わせて、調律しなおされて録音されました。廃盤となった45回転のレコードでは、リスナーの環境に合わせてそのピッチを調整できる仕様であったのに対し、今作では昨今Dateが制作している432Hzのピッチに調整されて収録されています。デジタル配信とは異なるピッチで収録され、経年劣化によってそのピッチは少しずつ落ちていく仕様となっています。2024年9月、このピアノは432Hzの純正律に調律され、その続編が作成されています。