All Night FlightのインハウスMIX TAPEシリーズ、TABI TAPESから、謎の人物Bob Chocolateによる超マニアックな「スムース・ジャズ」ミックスが登場!
Bandcamp以前に、世界に自分の作ったCDの自主的な流通を実現した、画期的なCD販売プラットフォーム「CD Baby」(1998年設立)のアーカイヴから音源を掘り起こして作られたものだそう。詳細な情報が掲載された冊子も付属しています。
Bob James & David Sanbornによる、このジャンルの象徴的なアルバム『Double Vision』や、Kenny Gのセンセーショナルなヒットをはじめ、CMやライブラリー・ミュージック、そして新しいフォームのMuzakとして広がっていった、スロウでイージー・リスニングなフュージョン・ミュージック。
その背景には、NEW WAVEやDIYポストパンクとも共通する、YAMAHA DX7をはじめとする比較的安価なデジタル・シンセの普及によって、制作環境が一般家庭にも入り込み、個人でも気軽に音楽を作れるようになっていったことがあります。メジャーな価値観やクオリティだけが正義ではない、自由な発想と縛られないスタイルで制作された宅録フュージョン・インストが、無数に生まれていったことを教えてくれます。
R&Bやブラコン、NEW WAVEまでも広義に取り込んで、スムース・ジャズとして紡がれていて、おそらく何らかの簡素なデバイス(スマホ?)から再生した粗悪な音をそのまま録音しているため、ゴソゴソとした雑音、妙に遠い音像、むちゃくちゃな音量バランスが、謎に音悪すぎて無茶苦茶カッコイイ!
スムース・ジャズというジャンルから想起されるソーシャル・イメージ、つまり大人のラグジュアリー・ライフ、ボートが浮かぶ湖畔の風景、肩書きばかり気にする気取った大人たちの夜のラウンジ……とは真逆の、無数のDIYな音楽生活の熱いスピリットが浮かび上がってくるようです。
PPUファンやオブスキュア・ソウル好きだけでなく、宅録ポストパンク好きにも聞いて欲しいですね。最高です。