ヘンリー川原が90年代初期にプロデュースした希少な 《歌もの》 曲をヘンリー川原史上初の7インチでリリース。川原しか作れなかったこのサイバーオカルト電脳異国情緒ヴォーカル・チューンをTKと細野晴臣に捧げます。
今のアート文脈から無きものとして抹消されるなら我々で存在証明してやるという意気込みだけで展開した企画ながら、世界的にも話が通じることが確認できたヘンリー川原再訪運動 (複数の記事になって取材も受けました)。そんな中、鋭意準備中の続編 『電脳的反抗と絶頂2: その他のヘンリー川原』 (仮題)の景気づけに投与するのが今回のシングルです。※コンピには未収の限定ワンオフ・リリースです。
この「南風 アルファ・ウェイヴ」 は、川原が手がけた希少な(唯一の?)日本語ヴォーカル曲で、1993年にHMD (H Music Deperception) という名で発表された曲の未発表ヴァージョンだ (マニアですいません)。 同曲は『電脳的反抗と絶頂』 にも収録したサイバーエキゾ・トラック「南風」をヴォーカル曲用に改編したもので、記録によれば宝達奈巳が歌い、既出版とMIXが微細に異なる未発表ヴァージョンとなる。90年代末のTKファミリー先取り感のユニット名で、細野晴臣がプロデュースしたアイドル曲群に挑んだかのような<ポップスもできたヘンリー川原>を確認できる希少例だ。