HUH - New Ordinary (TAPE)

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「New Ordinary」は、テラダキョウスケとモリタクマによるデュオ、HUH(ハー)の、dotsmarkからは初のリリースとなる新作カセット/ダウンロード作品である。

現在の東京でもっともアクティヴに音楽イベントを主催するひとりであり、また、ソロのほか、DJ MEMAIとのTHE OBEY UNIT、Shizuo UchidaとのMAI MAO、Kentaro NagataとのBAY CITY ROLAZ、ENDONのKoki MiyabeとのPRAYMATEなど、数多のユニットでも活動するテラダキョウスケと、ソロによる即興のドラムセッションのほか弾き語りのうたやグンジイズミ(ex.disk-3)とのアンビエントコア/ドリームポップデュオ・Cosmetic iでも活動するモリタクマの二人の活動は、なかなかひとつのジャンルや立場や視点だけから理解するのは難しいかもしれない。それは音楽的な形態や技法の定義をあらかじめ拒絶しているようでいて、しかし決して必ずしもそうではないという側面も同時に内包するものだ。

「New Ordinary」も、そうした彼らの立ち位置を端的に表している。カセットで片面3分(ダウンロード版では30分)という冗談のような収録時間のなかに瞬発と弛緩と、互いへの協調と反発と、そして奔放なワイドさと緻密な計算高さとが交錯する。ともすればめちゃくちゃに聞こえるかもしれないサウンドでありながら、そこにはノイズ、フリージャズ、エレクトロアコースティック、即興音楽、またはより広義のロックなど、多くの音楽性の断片を含んでいて、その断片が極めて入り組んでいるがゆえに、総体としてなにかのラベリングに落とし込むことは困難だが、あえて彼らの音楽が目指しているところをまとめるとするならば、“奏法のクリシェを避けつつ、ある特定のテンションと反応速度へ到達すること”ということになるだろうか(彼ら自身は、自らの音楽のことを“フリーフォーム・フリークアウト”と表現している)。またはバンド名の由来である、“線対称の短めの英語で、かつ意味や感情がないもの”という考え方が助けになるかもしれない。つまり、意味はあるにはあるが、特にそれが重要ではない──のだ。

録音/エディット/ミックスは盟友であるENDONのKoki Miyabeが担当。アートワークおよびデザインはテラダキョウスケ自身によるもの。150部限定。

(西山伸基)

バンドプロフィール
HUH

ギター=テラダ キョウスケ、ドラム=モリ タクマによる都内を中心に活動するフリーフォーム・フリークアウトデュオ。2007年結成。これまでに自主制作でのCD-RやDVD-Rのリリースを始め、コンピレーションへの参加やコラボ音源等メディアを問わず国内外のレーベルから多くのリリースを行う。

2010年より自主企画「強く押す」を年1回で開催する他、共同企画など勢力的にイベントを企画。

2017年1月には初のヨーロッパツアーを敢行。2018年6月台湾・台北の実験音楽フェス"LSF"に招致される。2019年10月にオーストラリアツアーを行う。2023年3月フランス"An'archives"より初のレコードLPをリリースする。

https://huh.jimdofree.com/

https://huhjpn.bandcamp.com

Japanese
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